お弁当の魅力
お弁当というものが、なぜか昔から好きでした。
実家にいた頃は、昼どきに母がいるにも関わらず、弁当箱にごはんとおかずを詰めてもらい、昼になるとそのお弁当を家で食べる。夏休みや冬休みに多かった気がします。
お弁当のどこが好きなのか。
色々なものが入っていて、それだけで完了する。究極のワンプレート。自分だけの秘密の箱、とまで言ってしまうと言い過ぎか。
ごま塩や梅干し、隅っこにある漬物なんかが馴染む、ごはんのしっとりとした感じも好きです。
丸亀製麺のうどん弁当
お弁当といえば、先日テレビ番組の中である女性が、
「今日は丸亀うどん弁当を買って帰るんだ」
とうれしそうにべつの女性に話すのを聞きました。
続きを聞いていると、今日は晩ごはんを作らなくてよいという解放感と、うどん弁当を買うのが楽しみというワクワク感が、彼女の言葉を弾ませていました。
なにせこのコロナ禍でも業績を伸ばしているという丸亀製麺。うどん弁当は1000万食を売り上げているといいます。
コンビニとマック(子どもたちがマックのテイクアウト派です)以外のテイクアウトはあまりしない私ですが、彼女の気持ちよい話ぶりを見るにつけ、買ってみようかな、と気持ちが動きました。
秋野菜の天ぷらと定番おかずのうどん弁当を買って帰る
ある休日。
午前中に妻と買いものに出かけたその帰り、
「お昼どうする?」となりました。
わたしはテレビでのうどん弁当のことを思い出し、妻に「どう?」と提案しました。べつにお店で食べてもよかったのですが、妻もお弁当に賛成。車で向かいました。
時間的には、ちょうどお昼どきの混雑を過ぎたころでしょうか。厨房や客席を見渡すと、客足がひと段落した空気を感じます。
注文するお弁当は、入り口のポスターを見て決めました。
テイクアウトなので、レジまで並びながら天ぷらなどの具材を決めることもないので楽。
自分の後ろに並んでいる人の気配を感じながら、注文を決めていくのは苦手です。何を食べたいかちょっと考えたいな、というときがあるので。
お弁当は全部で4種類。390円から。
基本は天ぷらと定番おかずとうどん。わたしは秋野菜の天ぷらと定番おかずのうどん弁当(620円)にしました。天ぷらはまいたけ、秋なす、野菜、ちくわ磯部、おかずに玉子焼き、きんぴらごぼう、そしてうどん。
お弁当が満たしてくれるもの
家に帰り、いつもの食卓でうどん弁当を開けます。天ぷらが器から溢れんばかりです。ボリューミーですね。
天ぷらとうどんを出汁でいただく。天ぷらは蓋に取り分けてべつに食べてもよいようですけど、わたしは出汁を天ぷらとうどんの上からぶっかけ、もうまとめて食べちゃいました。
天ぷらの油がうつり濃厚な旨味になった出汁の味が、うどんにしっかりとからむ。
まいたけの天ぷらを齧り、モチモチのうどんをすする。
お昼からプチ贅沢、満足しました。
しっとりとしたごはんの弁当もいいですけで、うどんの弁当もイイですね。
器ひとつで私を満足させてくれるお弁当。
おなかだけではなく、所有欲や独占欲までも満たしてくれるのでしょうか。
いくつになっても、お弁当には心を掴まれてしまいます。